調査サマリー
コロナ禍という⾮常時においては、⽬の前の仕事に没頭し誇りを感じる⼀⽅で、他者に援助を求めにくかったり、仕事に⼯夫を加えたり他者との関わりを広げる余裕が減少している。そのような状況においても、コロナ禍前にボランティア習慣のあった社員は、<ダイバーシティ><イノベーティブ><エンゲージメント>の観点で、相対的に積極的な⾏動を取っており、ボランティア社員は企業にとって貴重な⼈材である可能性が⾒いだされた。
また、ボランティア社員を⽣かすカギは上司の⾃律⽀援型マネジメントにあり、ボランティア習慣がある社員であっても、上司のマネジメントや仕事内容によってはイノベーティブなどのポテンシャルが活かされない可能性がある。コロナ禍における経営理念やミッション・ビジョン・バリューに沿った意思決定、危機に機会を⾒出す経営メッセージも、<ダイバーシティ><イノベーティブ><エンゲージメント>を職場で促進する結果となった。
ボランティア習慣がある人は社会貢献、会社貢献に積極的
格差への意識や、社会貢献活動への参加度合いに差
ボランティアをする習慣のある人は、困っている⼈や社会的格差に気づき、寄付など個⼈としての社会貢献⾏動にも積極的である。また、会社の事業への貢献として、事業のためにいつもと違う取り組みを⾏ったり、同僚に援助の声をかけるなどの行動をとっている。

ボランティア習慣がある人は、困っている人への援助行動に積極的
職場でも、私生活でも、すすんで声をかける
ボランティアをする習慣のある人は、職場でもプライベートでも、困っている人にすすんで声をかけていた。

仕事に楽しさや意味を見出し、新しいことを試し、他者とコラボレーション
イノベーティブに仕事に取り組む傾向あり
また、ボランティア習慣のある人は、仕事に楽しさや意味を見出す、新しいやり方を試す、意義や価値を他者と共有できす仕事をつくろうとする、などイノベーティブに仕事に取り組む傾向がみられた。

仕事に誇りを感じ、離職意向が低い
社会貢献活動への参加意欲も
ボランティア習慣のある人は、仕事に対するエンゲージメント、組織に対するエンゲージメントの両面で、誇りや愛着が高い傾向があった。

調査概要
名称:東京2020オリンピック・パラリンピックにおける社員ボランティア<中間>調査―コロナ禍における社会貢献意識とエンゲージメント―
調査対象:本調査に参画したオリンピック・パラリンピックスポンサー企業8社に所属する⼤会ボランティア社員
調査時期:2021年2⽉19⽇〜2021年3⽉16⽇
調査手法:インターネット上の調査票にアクセスするURLを、各社担当窓⼝を通じて、⾃社の調査対象社員に告知
有効回答数:667人
調査設計・分析:(株)リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所/(株)リクルートワークス研究所
資料全文:https://www.volacen.jp/pdf/202106-tokyo2020-co-volunteer-survey-interim.pdf