ボランティア調査報告

東京2020大会 大会ボランティア、都市ボランティアに関するアンケート調査結果(大会直前、大会直後)

調査サマリー

東京2020オリンピック・パラリンピックの大会ボランティア、都市ボランティアに対し、大会直前と大会直後でアンケート調査を実施。ボランティアの応募から研修、そして活動当日に至るまでの満足度や、大会後のボランティア継続意向を明らかにすると共に、ボランティア活動を辞退した方の要因、大会時の新型コロナウイルスのワクチン接種状況や感染症対策関連、ボランティア活動に対する待遇の満足度、等についても掘り下げた。また、障害のあるボランティア参加者に対する大会後のヒアリング調査も行い、その結果を踏まえ、今後の大規模イベント実施の際、安全安心かつ多様なボランティアが楽しく活動できるようどういった配慮をすべきか等、6つの提言をまとめた。

大会でのボランティア活動で得られたのは「自分の視野」「交流」など

「やりがい」「人の役に立った」という精神的な充実感も

東京2020大会のボランティア活動を通じて得られたものについては、「自分の視野を広げることができた」「人と交流することができた」という繋がりを実感した回答が多くみられた。また、「やりがいのあることができた」「人の役に立ったと感じられた」など、自己の精神的な充実を感じた人も多かった。

活動を通じて得られたもの

サポートの充実で、障害のあるボランティアの参加環境も創出へ

パラリンピックボランティアは、障害者へのサポート方法を学ぶ機会にも

今回の東京2020大会では、障害のある方のボランティア参加も一定数あり、そうした方々に参加に際しての問題点や必要なサポート体制などを大会後にヒアリングした。視覚障害のある方からは、最寄り駅から集合場所までの移動のサポートや、活動内容に関する事前の案内を求める声、また聴覚障害のある方からは、今回の大会で一緒に活動した手話によるサポートのできるボランティアへの感謝の声が上がった。


《視覚に障害のある方への主なヒアリング内容》
・最寄り駅から集合場所まで、また解散時の最寄り駅までの移動介助があるだけで、視覚障害者は格段にボランティアに参加しやすくなる。 ・事前にどのような活動が予定されているかを伝えていただき、できる活動とできない活動、より能力を発揮しやすい活動と難易度が高い活動等について、視覚障害当事者と打ち合わせをする機会を設けていただければと思う。

《聴覚に障害のある方への主なヒアリング内容》
・すべての情報を筆談で行うことは困難で、情報が十分に伝わってこないが、手話サポートが付くと、情報が100%伝わるため、活動内容をしっかり把握できる。 ・食事の時なども通訳をしてくれたので、活動外でもコミュニケーションがとれた。


また、障害のないボランティアからは、特にパラリンピックでのボランティア参加を通じて、障害のある人へのサポート方法やコミュニケーションスキルが身についたという回答がみられた。

大会後は、ボランティアへの参加意向が上昇

大会ボランティアでより顕著

大会後のボランティア参加意向を尋ねたところ、特に大会ボランティアでは「ぜひ行いたい」という積極的な回答が約14%増加し、大会でのボランティア経験が今後に繋がっている傾向がみられた。また、無観客開催により、街中での観光案内などの活動がなくなってしまった都市ボランティアにおいても、代替活動の機会があった人を中心に、今後もボランティアへの参加を希望する人が多くみられた。

今後のボランティア参加意向(大会ボランティア)


調査概要

本調査結果は、東京2020大会前調査(2件)、東京2020大会後調査(3件)、視覚に障害のあるボランティアへのヒアリング調査(1件)、聴覚に障害のあるボランティアへのヒアリング調査(1件)の計7件の調査内容をまとめたものになります。詳細は資料全文をご覧ください。

資料全文:https://www.volacen.jp/pdf/202107-tokyo2020-citycast-fieldcast-survey.pdf